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2018.05.20

忙しいとサンドイッチ率が高まる

昼食の時間が取れないほど忙しくなると、サンドイッチを食べることが多い。サンドイッチ伯爵が「トランプをしながら食べられるよう、パンで肉を挟んで持って来い」と言ったのがサンドイッチの語源だと読んだことがあるが、実際のサンドイッチ伯爵はトランプする暇もないほど多忙だったようだ。そして、忙しいときは仕事しながら食事していたとされている。なるほど、自分は正統なサンドイッチの語源通りに食事しているわけだ。

Wikipediaによると、サンドイッチ伯爵はキャプテン・クックを支援しサンドイッチ諸島(現在のハワイ)に名を残していたほどの人物。一方で、国王ジョージ3世やサンドイッチ伯爵が所属していた秘密結社が新聞で暴露されるといったことがあり、新聞を発行した政治家を逮捕・投獄するなどの陣頭に立っていて、今なお上演されている「乞食オペラ」という社会風刺的なオペラにも描かれている。ゴシップの格好のネタとなるキャラクターだったようだ。

それはともかく、現代の日本で、忙しくなったときだけサンドイッチを頬張るのは自分だけではないだろう。もしかしてコンビニの売上データを丁寧に読み解いていくと、あの会社が不祥事を起こしたときは、あの地域のサンドイッチの売上が微増するとか見えるかもしれない。そこまでしなくてもFacebookは、我々の知らないところでサンドイッチ率を管理し、広告の表示アルゴリズムに取り入れているだろう:-)

ところで、働き方改革というキーワードと一緒に労働時間とか残業時間が語られることが多いが、個人的には「時間」に2通りあると思っている。好きなときに好きなものを食べる余裕のある時間の過ごし方と、食事をとる余裕のない時間の過ごし方だ。この余裕のない状態の指標を仮に「サンドイッチ率」と呼ぶとする。おそらく自分が火消しを仕切るような立場になった場合、周囲のサンドイッチ率には注目したい。つまり、ひとりに作業が集中することがないようにし、ローテーションで休憩を取れるようにする。それでもサンドイッチなど軽食で済ませているようであれば、メンバーに何らかの圧力がかかっている可能性がある。いざというときのための手順が実はハリボテだったことによる焦燥。上層部へ論理的に説明できず、作業者が食事も取らず頑張っているなど情に訴えようとする管理職。これはアンケート調査などでは数値化されにくいだろう。

また、サンドイッチ率は組織マネジメントではなくセルフマネジメントとしても使えるかもしれない。サンドイッチを食べるときは、状況を一歩引いて考えるタイミングかもしれないと。食事の時間も惜しんだ努力の結晶は、睡眠時間と栄養が足りていない脳が導き出した、やっつけ仕事だ。乗り切ったようにみえるだけで、根本原因に辿り着けていないのではないかと疑い、食事をとれる余裕が戻ったときに、続きを考える。その気持ちのスイッチとしてのサンドイッチ。

余談だが、かのサンドイッチ伯爵の子孫はサンドイッチ屋をやってるのだとか。イギリスに行く機会があれば行ってみたいが、サンドイッチを口にした瞬間、デスノートに触れて記憶が戻る夜神月みたいなことにならないといいなと思う。

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