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2018.05.13

ブラックペアンに見るツールと手作業と理想と現実

ブラックペアンが4話まで進んだ。どうも医療系とジャニーズが苦手なので、もしかしたら途中で見るのをやめちゃうかと思っていたのだが、なかなか興味深いテーマを扱っていて目が離せない。ざっくり言うと、手作業の人とツールの人が対立する話だが、手作業側が二宮和也が演じる渡海(とかい)で思いっきり性格が悪く、小泉孝太郎演じる高階(たかしな)がスナイプ手術を普及させようと理想に燃えるツール側。ドラマの小道具では何をベースにしたのか、1000円ぐらいのホットボンドのような安っぽさなのが気になってしょうがないが、世界で1人しかできない「手作業」が、この安っぽさ満点の「ツール」によって実現する。

ところでIT業界では頻繁にエディタ論争が繰り広げられるなど、ツールに関する議論は常にホットだ。一方で、いまどき手際よくviで編集したところでカッコよくもなんともないし、むしろ、その変更をいつレポジトリに入れてくれるかヒヤヒヤしてしまう。つまり手作業を否定する人はいないのだが、管理されていない手作業は悪だということだ。

ただ、それでもブラックペアンの2話目ぐらいを見て、ツールでできることを手作業でできることの意味はあると思った。昨年、CTFというセキュリティ系の腕試しのようなイベントの予選に出て、それなりにプログラミングの経験はあるにも関わらず、まったくチームに貢献できなかったので、5月の連休は練習問題をやってみた。例えばksnctfというサイトで出題されているJohnという問題は/etc/shadowとパスワード攻撃用の辞書が渡され、John the ripperというツールをインストールしてパスワードをクラックして解くのが王道らしい。ところで、これまで幾度となくログイン画面を作り、認証用のライブラリまで書いてた身としては、crypt関数で叩けば一発じゃない?とコードを書いてみたら、途中の経過も自分で好きなように出力できるし、わざわざマイナーなツールを使う意味がわからない。

ksnctfにはパケットキャプチャのファイルを解析する問題もあって、これもWiresharkでクリックしまくるのではなく、Pythonだけで解いてみた。効率という点では、GUIがある方が見通しを立てやすいかもしれないが、大多数がツールを使わずには解けない問題をツールを使わずに解けるというのは、なかなかナルシスティックで、やり遂げた後の酒がうまい。

いたるところで人材不足なのだから、効率性というより、限られた脳のキャパシティにあれこれ詰め込まずに済むという意味で、どんどんツールを使って楽をすればいい。その中で、自分が仕事として核としたい部分は手を動かして本質を探ればよい。

ブラックペアンは、ツールの命運を「手作業の悪魔」が翻弄する面白さが、これまで同じ時間帯に放映されていた下町ロケットや陸王とは一線を画していて、さらに、プロジェクトXとかカンブリア宮殿なんかよりも日本のビジネスに刺激を与えるんじゃないかと思ったオジサンでした。

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