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2008.11.26

勉強というものを見直してみた

歌舞伎検定というものを受験した。

歌舞伎を観に行ったときに、これは基礎知識が必要な芸能だと実感したのだが、ちょうど検定が行われるというので、体系的に身につけるにはいい機会だとチャレンジしてみた。情報処理とかベンダ資格といったIT関連の勉強には飽きていた一方で、記憶術やら速読術やらは常に惹かれる。今までと違った勉強を始めると、何か面白い気付きでもあるかな、という歌舞伎とは関係ない下心もあった。

問題集が豊富でない分野には、単語カードを使える

検定というからには公式参考書というのがある。そして想定問題集もあるのだが、問題の量が少なく、かろうじて出題パターンがあるということがわかるぐらい。大学受験や高校受験は問題集が豊富だから、頭の中で消化するより問題を解くことに専念できてしまう。逆に問題集に乏しい歌舞伎検定は勉強するのにも勝手が違う。ただ、それもいいかな、と思う。いい年して、問題集が揃っている分野しか勉強したことがないなんて、ちょっと恥ずかしい気がする。

で、単語カードだが、僕自身も中学の最初の頃に使った覚えしかないが、最近になって使い方をどこかで見かけた。要約すると、こんな感じである。(出典は忘れた)

  • 基本的にはリングから外して使う(リングに付けたまま使うのは効率的な使い方ではない)
  • 全体を1枚ずつめくり、答えられたものと答えられなかったものに分ける
  • 答えられなかったものだけをめくり、さらに細分化
  • これを、答えられなかったものが0枚になるまで繰り返す
  • 答えられないものが0枚になったら全体をシャッフル

何を今さら、という人もいるかもしれないが、理系の大学受験では、そういう脳への染み込ませ方が必要なかった気がする。英単語も文脈で判断できるだろ、と言われていたし、丸暗記が冷たい扱いをされていた気がする。

いざ単語カードで覚えようとすると、たいした量でもないのに苦戦する。例えば登場人物とタイトル(歌舞伎では外題と呼ぶが)に特色があって覚えやすければいいが、凝っている外題が多いので、頭の中で関連付けをするのに、多少の無理をしなければならない。

ところで、少し前にIDEA*IDEAで短期記憶を使ったゲームが紹介されていた。

あなたの記憶力はどのぐらい? | IDEA*IDEA
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1枚目に描かれている幾つかの写真を記憶して、2枚目に描かれている写真から選ぶという簡単なゲームで、ちょうど勉強を始めた頃なので挑戦してみたのだが、自分の記憶力に自信をなくすほど難しかった。そこで戦法を少し変えて、幾つかの絵を、数字の語呂合わせをするように無理に適当なストーリーに練り込んでいったら、2週間ぐらい練習して最終レベルまでクリアできるようになった。ゲームの趣旨は、もしかしたらパッと見ただけで覚えられるかという右脳系のルールかもしれないが、記憶にルールなんてないわけだ。

知識を染み込ませるには多面的な補強を

公式参考書で勉強すると、ものすごく欲求不満になる。ページの都合で、ひとつの演目のあらすじが荒すぎて、どこが面白いのかさっぱりわからないのだ。この感覚、歌舞伎検定に限らず、情報処理の勉強でも全部をカバーしようとすると何冊あっても切りがない。

幸い、歌舞伎に関する本は豊富だし息抜きとして読める本が多い。全部紹介すると長くなりそうなので、別に書くこととするが、複数の図書館をハシゴして、結構な量に目を通すことができた。

例えば菅原伝授手習鑑という演目があり、松王丸、梅王丸、桜丸という3人の登場人物がいるが、それぞれ誰に付き従っていたかを丸暗記するのは大変だが、作者や当時の人々が松・梅・桜にどんな思いを馳せていたかという考察がセットになると、そもそも暗記する労力すら不要となる。

受験勉強で言えば、代ゼミで講師が喋った内容をそのまま本にしたようなシリーズがあったが、ああいった講師の雑談が混ざっている教材も似た効果がある。情報処理系は、そういう教材が足りていないかな。(追記:アイテックの読む講義シリーズは、よいと思う)

で、結果は?

歌舞伎検定は80問出題されて正解率70%なのだが、ぎりぎり受かってるか落ちてるかというところである。仮に落ちていたら再チャレンジするだろうか。すでに、幾つも見てみたい演目ができたので、目的のひとつは達成できた気がするのだが。


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ここからは、歌舞伎検定をチャレンジしたい人向けのブックレビュー

團十郎の歌舞伎案内 (PHP新書 519) (PHP新書)
團十郎の歌舞伎案内 (PHP新書 519) (PHP新書) 市川 團十郎(十二代目)

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stars特別講義の書籍化
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これは絶対に読むことをオススメする一冊。しかも公式参考書で演目名などを頭に叩き込んだ後に読んだ方が面白い。仕上げの一冊としてキープしておくといいかも。

鬼・雷神・陰陽師 古典芸能でよみとく闇の世界 PHP新書 (PHP新書)
鬼・雷神・陰陽師 古典芸能でよみとく闇の世界 PHP新書 (PHP新書) 福井 栄一

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starsとにかく人生が豊かになる本
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歌舞伎には神とも化け物ともつかないキャラクターが多く登場するが、その系譜をわかりやすく紹介してくれ、歌舞伎などの芸能に、どう取り込まれているかまで触れられている。このエントリで梅・松・桜の話を書いたが、出典はこの本である。

もしも義経にケータイがあったなら (新潮新書)
もしも義経にケータイがあったなら (新潮新書) 鈴木 輝一郎

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歌舞伎には源平を題材にしたものも多いが、そもそも僕は日本史の知識が乏しく、木曽ナントカとか覚えられないので、軽くおさらいするつもりで読んだ。歌舞伎との直結は少ないが、まあ、面白かったので。

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2008.11.11

Yahoo! Pipesがcharset問題に取り組んでいるらしいが

Pipes has had a problem handling certain character sets in various feeds and XML documents. The good news is that we believe we've finally isolated the issue and the release today should solve the mangling problem for a majority of feeds in our system. If you are using the http://william.cswiz.org/tool/xmliconv/ hack, you can still continue to use it, but you should be able to fetch the feeds directly now.

Pipes charset encoding and pubDate

早速、問題なく使えていたPipesが文字化けするようになった。

ちょっと軽いなぁ。あちらを立てればこちらが立たずなのかもしれないが、仕様変更したら使えなくなるなんてユーザを甘く見すぎている気がする。

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2008.11.04

賞味期限切れとなる技術

PipesY!Mapというページを作って思った。僕が好む技術の寿命って短いなぁ、と。

PipesY!Mapを作った動機は、Yahoo! Pipesの地図が荒すぎて使い物にならなかったからなのだが、Yahoo! Pipesで地図を使うためにはローカルサーチ、すなわち「東京駅」と入力して緯度経度を返すサービスとの連携が必要になる。Yahoo! JapanのローカルサーチをYahoo! Pipesに組み込んでみたが、Yahoo! PipesでUTF-8を渡してくれないので、うまく動作しない。(UTF-8を渡せない問題については、Pipesの開発者は「そのうち対応するよ」と言ってるようだ)

Pipesを使わず自前でコーディングすればよさそうなのだが、そういう気になれないのは、過去のプログラム経験のせいかな、と振り返ってみた。

僕が、いわゆるプログラムの類いに触れたのは大学4年の頃である。研究室に配属時にプログラムを教えられるのだが、プログラムを習熟した順に研究テーマが決められるという不思議な習慣があった。プログラムが組めないと研究にならなかったが、当時の助教授からは手段が目的化することのないよう口酸っぱく言われ、ロジックとビューは別プログラムとすることがほとんどだった。Excelで表示すればよさそうなものであればCSVで出力するし、適当なバイナリで出力してもNIHやSpyglass Transformなどビットマップ化するツールがあったので、ほとんどビューを書いたことがない気がする。

当時、家ではMacintoshを使っていたのだが、ニフティサーブを利用するために通信ソフトとログ切り出しソフトとログビューアが別々のプログラムだった。素人にとっては敷居が高い気もするが、ちょっとした工夫はしやすかった。余談だが、僕がネットに公開した最初のプログラムはニフティサーブのメールのログを切り出してOutlook Expressで読み込める形式に変換するというものだった。

そんなこんなで、表示に興味を持たない一方で、楽をする技術は磨いていた。測定器からRS232Cでデータを取り出したり、GPIBで制御したりという技術はせっせと磨いたし、
少し前にExcelのマクロでsendkey関数を使って他のアプリケーションを操作することについて書いたが、それも当時から使っていた。前の日の帰り際に仕掛けて翌日に結果を見るための技術というのが好きだった。

また、プログラム自体も面倒なことから逃げるようになった。たまたま当時、awkという言語を知ったのだが、テキスト処理に限定すればC言語どころかPerlやRubyと比べても圧倒的に直感的に、かつ少ない行数で目的を達成できる。

就職してから、仕事でプログラムを書く機会はなくなったのだが、有志でデータベースを作ろうという話になって、期限がタイトだったのでPHPとMySQLでなんとか動くものを作り上げたことがある。ただ、このときも、すぐにSmartyなど自分でコードを書かなくても済みそうなものを好んで使うようになった。気付いたら楽できるものを探していたと言うべきか。

で、Yahoo! Pipesである。

言語仕様なんか覚えなくても、画面の左側に並ぶ関数をドラッグして繋ぎ合わせれば目的を達成できてしまう。使ってるパソコンが未だにPowerPCの載っているMacだろうが、実際にカリカリと処理しているのはYahoo!のデータセンタにあるCPUである。こんな恵まれた環境で新しいパソコンとかに興味を持つ方が難しい。

誰かが技術者の定年が35歳であるとした根拠のひとつとして、35歳にもなると経験が豊富となり、がむしゃらにコーディングしなくても済む方法があることを知ってしまうのだと書いているのを読んだことがある。

ただ、趣味でプログラムを書くことに関して言えば、楽をすることについては極限まできたので、逆行して手作業で何かすることも覚えないといけないだろうか。面倒だなぁ。

面倒ついでに、タイトルを「賞味期限切れとなる技術」としたのは、自分が身につけて来た技術(特に言語)を振り返ってみて、何年も後に使わなさそうなものばかりだと思ったので、そういうテーマで書いてみようと思ったのだが、書いているうちの別の結論になった。でも、新しいタイトルを考えるのも面倒なので、そのまま残しておくことにします。

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