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2007.09.14

仕様書はWordで書くか、Excelで書くか、それが問題だ。

たびたびブログなどで話題になる、ソフトウェアの仕様書を書くのにWordを使うかExcelを使うか、それともPowerPointを使うかという話があって、どこかで議論になるたびに参戦しようと思って出遅れるのですが、ちょっと自分のペースで書いてみます。

それぞれのツールのメリット

Wordで書くメリットは自動で目次を作成してくれることと、編集履歴を残せることでしょう。紙ベースでレビューするとき、この2機能があるとないとでは雲泥の差となります。

書きながら、正確な日本語表現を求められるのもWordならではのメリットでしょう。論文は言うまでもなく、IEEEやRFCなどの標準化文書など、すべてこの形式で求められるのも、こうした理由によります。

一方、縦書きの文書を横長の画面で見ることには、ちょっとしたストレスを伴います。書式もメンバー間で余程慎重に合わせておかないと、すぐ個性がぶつかりあいます。それ以上に困るのが、Word自体の自己主張ですが、これについては話が長くなるので割愛します。あなたの職場で聞こえる悲鳴の30%は、これによるものでしょう。

PowerPointで書くメリットは、1枚1メッセージで書けることです。表も図も挿入しやすいし、伝えたいことが多ければ文字サイズを小さくしたり、吹き出しにしてみたり、ありとあらゆるツッコミ手法を載せても1枚に納められる懐の深さがあります。

パソコンの画面で見やすいのもポイントです。某サポートセンターからは保守マニュアルはPowerPointで要求されますが、素早く理解することを助けるフォーマットということでしょう。このことは議論の叩き台として優れていることも意味します。

一方、こちらも別のPowerPointから貼付けると、実に驚くべきトランスフォーメーションを見せてくれます。あなたの職場で聞こえる悲鳴の30%は、これによるものでしょう。誰も車輪の再発明ばかりしようとは思わないのですが、車輪の微調整はしたがるものなのです。

Excelで書くメリットは、任意の管理フラグを楽に追加できることでしょう。右クリックで列を追加するだけで「超重要」「遅れ」「削除したい」など、神の声、心の叫びを表面化し、マネジメントを助けます。

このようにして、開いてる欄に責任者の名前を加えることもできます。あなたの職場で聞こえる悲鳴の30%は、これによるものでしょう。

一方、ちょっとした作業で大きく中身が変わってしまうのに、編集履歴は泥臭く手作業で残さなければいけません。「追記した箇所の文字を赤くしました」とメールで送ってくる人たちは、「え、俺も追記したら文字を赤くしなきゃいけないの?」とか「君が赤くした文字は、誰がいつの時点で黒に戻すの?」とか考える人の苦労を知りません。

フェーズごとの使い分け

個人的な見解ではありますが、いわゆるベストプラクティスは

・Excelで洗い出し
・PowerPointで問題提起し議論し明確化し
・Wordで清書して残す

だと思います。しかし、偉い人は早い段階でWordの形で見たがるので、

・Excelで大まかな分担を決めて
・Wordで書き始め、悩んでも両論併記しておいて
・議論がもめたらWordに書かれている内容をPowerPointにして議論し
・進み具合が気になったらWordに書かれている内容をExcelにして管理し
・再びWordに落とし込み

ということになることが少なくありません。仕様書を書く段階で、すでにウォーターフォールかスパイラルかという議論が生まれてしまう訳です。これまた個人的な見解ですが、仕様書というものはソフトウェアのGUIほど完成にバラツキがあるものではないため(だって文字サイズや口調が全体に影響を及ぼさないでしょ)、ExcelやPowerPointだけの段階が長ければ長いほど無駄なく議論できるのではないかと思っています。

あったら便利ツール

こういうのは、ある職場にはあるのだと思いますが、

Excelで構造化した要求定義シートを、Wordに書式付きで流し込むツールなんかがあると、ギリギリまでExcelで洗い出しする文化が芽生えそうだなぁ、と妄想してます。「そろそろ流し込もうか」「いや、まだまだ」みたいな。

PowerPointで追記箇所が明確になるようなツールがあれば、そもそも最終アウトプットにWordを使う意味は減ってくるかもしれません。たまに見かけるんですけどね、PowerPointで前の版からの変更箇所が、ちゃんとわかるようになっている資料も。でも、編集が見るからに大変そうなので。PowerPointの各ページに進捗フラグとか最終更新日を設定して、、、って、それが無いのがPowerPointの弱点であり、Excelで仕様書を書く人が多い理由でしょうか。(そういう意味では、Wordも章単位での最終更新日が欲しいときがあります)

Wikiで仕様検討するという職場もあると聞いたことがありますが、使い勝手はどうなんでしょう。

RFCにおける工夫

途中で「口調」は全体に影響を及ぼさないと書きましたが、実際は必須なパラメータがそうでなかったりするのは大問題です。実装における自由度の設定も、作業効率に大いに影響しますし。

RFC2119では、文章に置けるMUSTやSHALL、RECOMMENDED、MAY、OPTIONALなどの使い方を明示していますが、この文章の技術発展への貢献は大きいでしょう。

http://www.ietf.org/rfc/rfc2119.txt

Wordのメリットで、「日本語になる」と書きましたが、これは裏返しでPowerPointでは短く書いてしまって伝わりにくいこともありますので、気になるようだったら「MUST」とか添え書きするという手法もありかな、と思います。

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