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2004.03.14

『伽藍とバザール』な提案書

今、仕事で提案書やらパンフレットを書く機会が多いが、常に面倒を感じるのが、レビューという工程である。

「工程」と書いて違和感がないあたり、プログラムを書く作業との類推を感じる。レリック・レイモンド著『伽藍とバザール(山形浩生訳)』を読んだことを機に、提案書をオープンソース的に書き上げる方法がないか探ってみた。

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前半は、筆者がfetchmailを開発するにあたり、リーヌス・トーバルスがLinuxを開発する際の特徴を分析し、実践している。(そんな訳で、本文中に「リーヌス」という言葉が48箇所も出てくる)

リーヌスは、デバッグと開発に投入される人・時間を最大化することをずばり狙っていたわけだ。

リーヌスは、開発そのものはほとんど他人にやらせつつ、うまいこと自分はプロジェクトの門番におさまった。

ぼくのほうが、リーヌスよりもそれをちょっと意識的かつ体系的に行ったとはいえるかもしれない。

閉じた組織でのプログラム手法を「伽藍」、Linuxのような手法を「バザール」と準えているが、最初から最後まで「バザール」で運営しようというわけではなく、前提条件や、どのタイミングからバザール方式を取り入れるかといった考察も書かれて、参考になる。

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後半は、いわゆる「レイモンド4部作」を書き終え、再び「伽藍とバザール」に追記している部分で、本書への反論に反論する立場で書かれている。

オープンソースは「セクシー」で技術的に魅力ある仕事でしかあてにならない

なるほど、その部分だけを読んでしまうと「良い提案書を書く」という仕事に社内リソースを有効に活かすために、リーヌスの手法を取り入れようと考えるのは難しい。

Netscape(AOL)は、この本の影響でmozilla.orgでソースコードを公開したが、成功とは言いがたい状況にあり、これについても著者の意見が追記されているが、いわゆるプロプリエタリとは共存が難しそうなところが残念に感じる。

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全体的に、得られた教訓を残すための本、というスタンスでもあり、その教訓を拾いやすく書いている。

プログラマでない私が今の仕事に活かせるとしたら、次の教訓か

2. 何を書けばいいかわかってるのがよいプログラマ。なにを書き直せば(そして使い回せば)いいかわかってるのが、すごいプログラマ。

5. あるソフトに興味をなくしたら、最後の仕事としてそれを有能な後継者に引き渡すこと。

12. 自分の問題のとらえかたがそもそも間違っていたと認識することで、もっとも衝撃的で革新的な解決策が生まれることはよくある。

13. 「完成」(デザイン上の)とは、付け加えるものが何もなくなったときではなく、むしろなにも取り去るものがなくなったとき

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